土木学会論文集E
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和文論文
鉄鋼スラグ水和固化体の変形に関する研究
藤井 隆史藤木 昭宏綾野 克紀阪田 憲次
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2007 年 63 巻 3 号 p. 468-484

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抄録

 本論文は,鉄鋼スラグ水和固化体の乾燥収縮ひずみ,自己収縮ひずみ,線膨張係数およびヤング係数を,セメントコンクリートと比較し,示したものである.鉄鋼スラグ水和固化体の骨材に用いる製鋼スラグは,吸水率が大きく多孔質であるため,水結合材比の小さい配合であっても,自己収縮ひずみは極めて小さい.また,乾燥収縮ひずみは大きく,最終値に達するまでの時間も長くなる.このような,鉄鋼スラグ水和固化体の乾燥収縮ひずみは,製鋼スラグ骨材に含まれる水分量を考慮することで,セメントコンクリートの乾燥収縮ひずみの予測式が適用可能である.また,鉄鋼スラグ水和固化体のヤング係数および線膨張係数は,セメントコンクリートとほぼ同程度である.

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© 2007 社団法人 土木学会
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