日本皮膚科学会雑誌
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原著
抗hUBF 抗体陽性の全身性強皮症の 1 例
小村 一浩Bae SangJae小川 文秀竹中 基加治 賢三藤本 学桑名 正隆佐藤 伸一
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2007 年 117 巻 10 号 p. 1621-1624

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抄録

71 歳女性.初診の 45 年前よりレイノー症状,10 年前より皮膚硬化,数年前より胸やけと胸のつかえ感が出現した.初診時,手背までの皮膚硬化と爪上皮出血点を認め抗核抗体(核小体型)が陽性であったため全身性強皮症と診断した.スキンスコアは 5 点であった.指尖部陥凹性瘢痕や,手指の屈曲拘縮,毛細血管拡張は認めなかった.乾燥性角結膜炎,逆流性食道炎を合併していた.間質性肺炎,強皮症腎,肺高血圧症,原発性胆汁性肝硬変,抗リン脂質抗体症候群,関節リウマチの合併はなかった.患者血清と S35 で標識したK562 細胞抽出液を用いた免疫沈降法にて 90/92kD の蛋白を沈降した.抗hUBF 抗体が陽性の全身性強皮症と考えた.

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© 2007 日本皮膚科学会
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