本稿では, 万博公園での大学生3年生向けの体験型環境教育プログラムを対象として, プログラム参加者 (被験者) への教育効果の把握手法の開発とその手法の適用を試みた. 教育効果は演習目的に掲げる環境学習, 社会貢献, 自己実現の3つを基本指標として, 各指標の下位項目を定め, 計40項目からなるアンケート調査票によって計測した. この調査票を用いて被験者10名と3種類の対照群を対象として調査を行うとともに, 被験者に対してはプログラム終了後にインタビュー調査を実施した. 一連の調査の結果, 被験者群への教育効果は, 環境保全を含む地域における社会貢献活動に対する「態度」や「参加」への効果によって特徴づけられること, 教育効果は事後調査でプラスになった項目だけに認められるわけでなく, 事後で低下した項目でも, 体験を通した「自覚の深まり」といった教育効果を認めうることを示した.