2007 年 35 巻 p. 109-119
本研究では, 都市部において発生する廃棄物やバイオマスを電熱源とし, 小地域内で電力と熱を融通する横浜市金沢区での地域エネルギー供給の取り組みに着目し, 同地区のマイクログリッド型のエネルギー供給システム構築を支援する方法を提案した. バイオマス発生量・エネルギー需要量の空間分布を算出するプロセスを構築し, GISを用いて対象地域におけるエネルギー需給分布を算定した. その上で, エネルギー需要の時刻別変動と熱需要温度の違いを考慮し, エネルギー供給先の違いによる省エネルギー効果の変化を明らかにした. その結果, 今後の都市部において地域エネルギー供給を進める上で, 負荷平準化効果, 熱のカスケード利用を考慮することの重要性と構築した支援システムの有効性を示すことができた.