環境システム研究論文集
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都市由来のバイオマス廃棄物のエネルギー変換における技術や事業収支要因の不確実性が環境負荷や事業性に及ぼす影響の分析
矢野 貴之吉田 登曽田 真也金子 泰純山本 祐吾
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2007 年 35 巻 p. 481-489

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抄録

バイオマス廃棄物のエネルギー変換に関する評価は一定の技術効率を仮定して実施されることが殆どであるが, 開発途上技術の場合, 将来の技術革新の不確実さが評価に影響を及ぼすことが考えられる. 本研究では, 都市由来のバイオマス廃棄物を対象とするエネルギー変換技術に注目し, まずエネルギー変換, 前処理, 利用に関する技術効率の不確実性が二酸化炭素削減量に及ぼす影響についてモンテカルロ・シミュレーションを用いて分析し, 次に事業収支要因の不確実性が内部収益率に及ぼす影響について感度分析を行った. 分析の結果, 下水汚泥では前処理技術での有機分分解率の不確実性が二酸化炭素削減量の変動に大きく寄与すること, また食品廃棄物の湿式メタン発酵では建設費, 処理費の不確実性が内部収益率に大きな影響を及ぼすことを明らかにした.

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