2007 年 35 巻 p. 491-498
農業部門・廃棄物部門でのメタン (CH4) と亜酸化窒素 (N2O) の排出削減対策は二酸化炭素 (CO2) より比較的安価であるため, 京都議定書の削減目標の達成に向けた取り組みとして着目されている. 本研究では世界67地域を対象にこれらの部門における2000年から2030年の排出インベントリを構築し, 対策技術の導入にかかる費用と削減ポテンシャルを評価した. その結果, 削減効果が期待できる地域は, アジア, 南米, アフリカであり, その排出源は家畜反鯛, 家畜糞尿管理, 廃棄物部門であった. 高い削減効果が見込まれる対策技術は, 家畜飼料の変更, 廃棄物の嫌気発酵処理であり, 比較的安価な対策は, 家畜飼料の変更や糞尿の嫌気発酵処理であることがわかった.