皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
症例
Bier’s Spotの1例
貞政 裕子二瓶 望康井 真帆矢口 均比留間 政太郎小原 宏之
著者情報
ジャーナル 認証あり

2007 年 6 巻 5 号 p. 490-493

詳細
抄録

Bierは,1898年,不整形な貧血斑が上肢に多発性に認められ,これらが上肢挙上によって消失する病変を報告した。今回我々は同様の皮疹を有する症例を経験した。患者は28歳,男性,ピアニスト。約10年前から上肢を下垂すると1センチ大の不整形な貧血斑が出現し,挙上すると消退するという。下肢も同様に立位で貧血斑が出現し,座位で消失する。駆血,機械的刺激,温熱刺激,寒冷刺激による増悪,軽快はない。触覚の異常もない。トフィソパム(グランダキシン®)内服をしたが効果は認めなかった。報告は少ないがこのような患者は多いと推察される。

著者関連情報
© 2007 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top