2007 年 6 巻 5 号 p. 490-493
Bierは,1898年,不整形な貧血斑が上肢に多発性に認められ,これらが上肢挙上によって消失する病変を報告した。今回我々は同様の皮疹を有する症例を経験した。患者は28歳,男性,ピアニスト。約10年前から上肢を下垂すると1センチ大の不整形な貧血斑が出現し,挙上すると消退するという。下肢も同様に立位で貧血斑が出現し,座位で消失する。駆血,機械的刺激,温熱刺激,寒冷刺激による増悪,軽快はない。触覚の異常もない。トフィソパム(グランダキシン®)内服をしたが効果は認めなかった。報告は少ないがこのような患者は多いと推察される。