生尿中および人工尿中の17βエストラジオール (E2) およびテトラサイクリン (TC) を対象として, 電解酸化処理の可能性および処理性能について検討した. 粒状のPt/Ti電極およびグラッシーカーボン電極を充填した三次元多重電解槽を用いて, 生尿および人工尿の回分処理実験を行った. その結果, 尿中に最も高濃度で含まれる尿素には影響されることなしに, E2, TCを電解処理できることが分かった. しかしながら, 尿中に若干量存在する尿酸の酸化反応がE2, TCに比べてより低電位 (0.4V-0.5V付近) で生じるため, 処理速度は通電量の他に尿酸の存在量にも大きく影響された. 尚, 電解処理の消費電力は1-50Wh/m3で, またPt/Ti電極及びグラッシーカーボン電極共にほぼ同様の処理性能であった.