環境工学研究論文集
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晶析技術を用いた下水汚泥からのリン資源回収プロセスの開発
島村 和彰水岡 亜聖石川 英之平沢 泉
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2007 年 44 巻 p. 673-678

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抄録

下水放流水のリン濃度低減、リン資源回収の観点からリンを除去・回収する方法として、リン酸マグネシウムアンモニウム (MAP) の形態で回収するMAP法がある。筆者らは、消化汚泥に直接マグネシウムを添加してMAPを晶析・分離回収するプロセスを開発した。本プロセスについて、基本的な晶析操作条件の検討、パイロットスケールの実証試験、実機スケールの実証試験を行ったところ、消化汚泥の全リンの30%以上、結晶化したリンの95%以上に相当する量を回収することができた。また、このプロセスを処理量21, 000m3/dの嫌気性消化槽を有する下水処理場に設置した場合、放流水のリン濃度の30%以上を低減可能であること、315kg/dのMAPを回収可能であることを示した。更に、消化槽内のスケール抑制の可能性を見出した。

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