ジオシンセティックス論文集
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剛で一体な壁面を持つジオテキスタイル補強土擁壁の天端載荷に伴う変形特性
平川 大貴龍岡 文夫
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2004 年 19 巻 p. 211-216

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抄録

剛で一体な壁面を持つジオテキスタイル補強土擁壁模型を作成し、天端での模型基礎の鉛直載荷に伴う基礎の沈下特性と壁面土圧~補強材張力~擁壁水平変位挙動を検討した。その結果、補強土擁壁の鉛直・水平方向の変形特性には、以下の3つの基本メカニズムが含まれていることが確認された;1)基礎の支持力問題としての天端の沈下とそれに伴い背面盛土が側方に広がる変形、2)擁壁の安定問題としての背面盛土の破壊接近度に応じて生じる変形、3)盛土と補強材との相互作用。3)に関しては、「盛土材よりも高い剛性を持ち、変形成分のうち弾性変形要因が占める割合が盛土よりも著しく大きい補強材」と「非弾性的で粘性と塑性のために初期載荷の変形の大部分が非可逆変形である盛土材」との相互作用により、静的持続荷重の下で安定している状態では壁面土圧と補強材張力は時間経過に伴って減少することが明らかになった。

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© 国際ジオシンセティックス学会日本支部
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