2006 年 21 巻 p. 167-174
一対のジオシンセティックス補強土擁壁の剛な一体壁面工を橋桁と一体化させた新形式橋梁を開発し、壁面工と補強材の定着強度がその耐震性に与える影響を重力場での模型振動台実験によって検討した。補強材はリン青銅板を用いて格子状として表面には豊浦砂を接着させて表面を粗にした。壁面工の背面での補強材の定着強度を増加させると破壊時水平加速度は著しく増加して、新形式橋梁の耐震性は盛土下部の補強材の定着強度に強く依存した。定着強度がある一定以上大きくなると、盛土下部の補強材が盛土内から引き抜けて模型は破壊した。新形式橋梁の高耐震化には、補強材の引張り強度が十分に大きいだけではなく、壁面工との定着強度を確保するとともに、補強材の表面粗度・形状を改良して引抜け抵抗力を確保する必要があることが分かった。