皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
症例
食物依存性運動誘発アナフイラキシー(FDEIA)及び遅延型ラテックスアレルギーを合併したアトピー性皮膚炎の1例
杉浦 啓二杉浦 真理子
著者情報
ジャーナル 認証あり

2008 年 7 巻 2 号 p. 120-125

詳細
抄録

17歳,高校生。アトピー性皮膚炎で通院加療中,皮疹の悪化を繰り返していた。昼食に唐揚げを摂取した後の体育授業中に蕁麻疹を生じ,痒みのため掻破し,アトピー性皮膚炎が悪化していた。血液検査,経過,誘発試験より,唐揚げ粉による食物依存性運動誘発アナフイラキシー(FDEIA)と診断した。唐揚げ摂取後2時間は運動しないよう指導したところ,蕁麻疹は消失し皮疹は軽快した。その後,調理実習の際,両手の皮疹とアトピー性皮膚炎の悪化を生じていた。パッチテスト結果より遅延型ラテックスアレルギーと診断した。調理の際,ゴム手袋の使用を中止するよう指導し,両手の皮疹及びアトピー性皮膚炎は軽快した。

著者関連情報
© 2008 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top