2008 年 64 巻 4 号 p. 483-497
千鳥組されたセグメントのリング継ぎボルトには,隣接するセグメントの添接効果によってせん断力が発生する.このせん断力による付加的な曲げモーメントは,セグメント幅の拡大にともなって増加し,それにより発生する曲げモーメントはセグメント幅方向に均等に分布せずにその端部に集中する傾向がある.
本研究は実物大の鉄筋コンクリート平板形セグメントの単体供試体を用いて,荷重をリング継手の継手金物に直接載荷する方法で試験を行い,曲げモーメントの端部への集中度合いに検討を加えるとともに,セグメントリングの骨組み解析およびFEM解析の結果から,セグメント幅の拡大にともなう幅方向の曲げモーメント分布を明らかにし,拡幅したセグメントの設計方法について検討を加えたものである.