本研究の目的は,ナイチンゲール看護論を基盤にした教育課程で看護学を学んでいる学生が ICU での実習を通して得た気づきの根拠を,科学的看護論を媒介に,学生の判断過程を浮き彫りにすることで探り,得られた知見をもとに看護を導く試案の提示を試みることである.学生の気づきに関連していると思われた 2 看護場面を再構成し,看護過程に沿って意味を抽出していった結果,「生命の危機的状態にある患者と家族に対して,24 時間の生活の中で,わずかな反応から生命力を消耗させているものを見いだして,その時々で整えていくことが,患者・家族の生命力を広げていくことにつながる」という学生の気づきの根拠を確認することができ,クリティカルな状態にある患者・家族の看護への試案 4 項目を提示した.