日本クリティカルケア看護学会誌
Online ISSN : 2187-400X
Print ISSN : 1880-8913
ISSN-L : 1880-8913
事例報告
クリティカルな状態にある患者・家族への関わりから得た学生の気づきの検討
―科学的看護論を媒介にした看護場面の分析より―
寺島 久美恒吉 さやこ松山 郁子
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 4 巻 2 号 p. 52-59

詳細
抄録

本研究の目的は,ナイチンゲール看護論を基盤にした教育課程で看護学を学んでいる学生が ICU での実習を通して得た気づきの根拠を,科学的看護論を媒介に,学生の判断過程を浮き彫りにすることで探り,得られた知見をもとに看護を導く試案の提示を試みることである.学生の気づきに関連していると思われた 2 看護場面を再構成し,看護過程に沿って意味を抽出していった結果,「生命の危機的状態にある患者と家族に対して,24 時間の生活の中で,わずかな反応から生命力を消耗させているものを見いだして,その時々で整えていくことが,患者・家族の生命力を広げていくことにつながる」という学生の気づきの根拠を確認することができ,クリティカルな状態にある患者・家族の看護への試案 4 項目を提示した.

著者関連情報
© 2008 日本クリティカルケア看護学会
前の記事 次の記事
feedback
Top