2009 年 65 巻 1 号 p. 77-87
北海道では,ドライブ観光の需要の増加を背景に,2005年に「シーニックバイウェイ北海道」がスタートし,道路景観を活かしたまちづくりが進められている.本研究では,シーニックバイウェイ北海道で指定されている5エリアの8ルートにおいて,走行する車両内から20m間隔で撮影された道路景観画像のフラクタル次元,空の占有率,緑の占有率を算出し,これらの区間平均値とフラクタル次元の区間内変動(区間長10km)からシークエンス景観の構造特性と変動特性を評価した.また,得られた結果を用いてシークエンス景観を6つのクラスターに類型化した後,各クラスターが占める割合と配列を基に,「シーニックバイウェイ北海道」の指定エリア・ルートのシークエンス景観の特徴を明確にした.