土木学会論文集A
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和文論文
気象影響を高精度に考慮した屋外音響伝搬解析手法の構築
比江島 慎二向井 靖彦渡邊 恭
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2009 年 65 巻 3 号 p. 708-717

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抄録

 風や気温などの気象条件の空間的な非一様性や非定常性の影響を受ける屋外音場のより高精度な予測を実現するため,流れ場と音場の精密な連成項を考慮した空力音分離解法の基礎方程式にもとづく数値解析手法を構築した.解析精度や基本的な伝搬性状の再現性に関する検証のため,定常な気象条件および単純な地表面形状の下で解析した結果,有限領域から無限領域への音響伝搬を仮想的に実現するための無反射境界や地表面などの完全反射境界の処理が適切に機能することを確認した.また,風による移流効果や気温差による空気密度・音速の変化に伴う音の波長の変化を詳細に捉え,理論解に一致することなどを明らかにした.さらに,風上側で音の伝わりにくいシャドーゾーンなども再現することができた.

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© 2009 社団法人 土木学会
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