皮膚の科学
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症例
胃癌術後に発症した四肢ミオクローヌスを伴うペラグラの1例
寺田 麻衣子小川 晴子田邉 洋望月 隆上野 正克永石 彰子松井 真
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2009 年 8 巻 2 号 p. 182-186

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抄録

66歳,男性。飲酒歴なし。2004年9月(65歳時),胃癌による噴門側胃切除術を受けた。2006年2月より歩行困難と四肢のミオクローヌス,せん妄が出現した。3月より両手背に皮疹が生じた。神経症状は徐々に進行したため,5月に当院の神経内科に入院した。その際,皮疹の評価を目的に当科を紹介された。初診時,両手背と足趾にそう痒を伴う赤褐色の紅斑と手指関節背面に深い亀裂を認めた。その他,顔面や頚部には皮疹を認めなかった。神経学的にはミオクローヌスとせん妄があり,その他,下痢と大球性貧血を合併しており,皮膚症状とあわせてペラグラと診断した。血清ニコチン酸が軽度低下しており,ニコチン酸アミド100mg/日を経静脈的に投与したところ,症状は劇的に改善し,約2週間後には皮疹は消失し,日常会話が可能となった。

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© 2009 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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