日本顎関節学会雑誌
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ロボットによる咀嚼筋マッサージの臨床応用
勝又 明敏飯田 幸弘藤下 昌己泉 雅浩有地 淑子小木 信美五十嵐 千浪小佐野 貴識小林 馨石井 裕之古賀 裕樹小保川 祐一高西 淳夫
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2009 年 21 巻 2 号 p. 110-115

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抄録

WAO-1(Waseda Asahi Oral-rehabilitation robot No. 1)は,顎顔面領域のマッサージ治療を行う目的で開発されたロボットである。WAO-1は,6自由度をもつ2本のアームと,顔表面を擦るプランジャにより構成され,プランジャの力と位置を制御することにより精密なマッサージを行う。臨床応用試験の一部として,咀嚼筋へのマッサージを試みた。健常人に施行した結果,ロボットマッサージが安全かつ快適であることがわかったので,顎関節症患者37名にマッサージを行った。その結果,3回以上マッサージを受けた患者の73%で疼痛の減少が,50%で開口度の改善が認められた。ロボットによる咀嚼筋のマッサージは,顎関節症における疼痛軽減と開口障害の改善に有効なことが示唆された。

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© 2009 一般社団法人 日本顎関節学会
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