水文・水資源学会誌
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研究ノート
Makkink式による可能蒸発量の推定精度
諸泉 利嗣小村 拓也三浦 健志
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2009 年 22 巻 6 号 p. 479-483

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抄録

可能蒸発量は蒸発計蒸発量に代わるものとしてしばしば利用される.可能蒸発量の推定式としてはPenman式が代表的であるが,気温,湿度,風速,日照率の気象データを必要とし,発展途上国など十分な気象データが存在しない地点においては必要な気象データをすべて利用できるとは限らない.本研究は,Penman式よりも少ない気象データで可能蒸発量を推定できる式としてMakkink式に着目した.Penman式による可能蒸発量に適合するように世界の300地点におけるMakkink式中の2定数を同定し,Makkink 式による可能蒸発量の推定精度について検討した.その結果,推定精度は各地点の地域定数を用いた場合が最も良かったが,気候区分ごとの地域定数を用いてもある程度の精度で推定できることがわかった.また,2定数間の関係は,既往の研究と同様に負の相関を示した.

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© 2009 Japan Society of Hydrology and Water Resources
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