2009 年 29 巻 7 号 p. 829-834
症例は58歳, 女性. 著しい低酸素血症および肺野に広範な陰影を認め, 肺胞蛋白症と診断された. 肺洗浄療法を行う方針となったが, room air下でPaO2 38mmHgと, 顕著な低酸素血症を認めたためextracorporeal membrane oxygenation (ECMO) による酸素化の補助が必須と考えられた. 左側肺に対する肺洗浄を行ったが, ECMO補助下のため危機的な低酸素血症には陥らなかった. 重症肺胞蛋白症患者に対する肺洗浄はECMO補助下で行うことで, 酸素化を良好に維持しながら積極的な洗浄が可能となり, 早期回復につながると考えられる.