日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
症例報告
肺胞蛋白症に対するECMO補助下肺洗浄の全身麻酔管理経験
今井 英一古谷 健太渋江 智栄子西塔 毅馬場 洋
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 29 巻 7 号 p. 829-834

詳細
抄録

  症例は58歳, 女性. 著しい低酸素血症および肺野に広範な陰影を認め, 肺胞蛋白症と診断された. 肺洗浄療法を行う方針となったが, room air下でPaO2 38mmHgと, 顕著な低酸素血症を認めたためextracorporeal membrane oxygenation (ECMO) による酸素化の補助が必須と考えられた. 左側肺に対する肺洗浄を行ったが, ECMO補助下のため危機的な低酸素血症には陥らなかった. 重症肺胞蛋白症患者に対する肺洗浄はECMO補助下で行うことで, 酸素化を良好に維持しながら積極的な洗浄が可能となり, 早期回復につながると考えられる.

著者関連情報
© 2009 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top