日本大腸肛門病学会雑誌
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原著
大腸癌におけるIrinotecanの効果とThymidylate synthaseの関係
山田 岳史古川 清憲横井 公良瀬谷 知子金沢 義一小泉 岐博田中 宣威田尻 孝
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2010 年 63 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

Thymidylate Synthase(TS)がIrinotecan(CPT-11)の効果に影響を与えるTopoisomerase-I(Topo-I)と逆相関するためCPT-11が5FU無効例に奏効するとの報告がある.しかしTSとTopo-Iは正の相関をするとの報告も認める.TSがTopo-Iと相関するのであればTS高値例ではCPT-11の効果が高く,TS低値例ではCPT-11の効果が低いことになるがその評価は定まっていない.目的:大腸癌においてTSとCPT-11の効果の関係を明らかにする.方法:(1)大腸癌23例について抗癌剤感受性試験を行い,細胞障害率(IR)を効果の指標とした.(2)TS活性値,TSmRNA量を測定し,CPT-11のIRと相関があるか否かを検討した.結果:CPT-11のIRはTS活性値,TSmRNAともに相関関係を認めず,TS活性値,mRNAレベルよりCPT-11の効果を予測することは困難であると考えられた.

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© 2010 日本大腸肛門病学会

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