人間工学
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原著
サイン音に和音を用いることの効果の検討
岩宮 眞一郎中嶋 としえ
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2009 年 45 巻 6 号 p. 329-335

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抄録

メッセージを伝えるサイン音には,音の断続パターンだけでなく,短いメロディや和音などの各種の音楽的表現を用いることも多い.本研究では,サイン音に和音を用いることの可能性を検討するために,各種の三和音表現とサイン音としてのイメージおよびその印象の関係を,評定尺度による評価実験に基づいて検討した.終了感を出すのに,音楽の終止形として用いられている,属和音あるいは下属和音から主和音の進行が利用できることが示唆された.これらは,快適で,明るい印象があり,日常生活で頻繁に使われるサイン音としては適しているであろう.警報感を出すには,短三和音,減三和音がふさわしい.これらの和音は,不快で,暗い印象がある.増三和音は,呼び出し感を出す機能があり,報知感も強い.本研究により,サイン音に和音を用いることで,特定の機能イメージや印象を引き出すのに有効であることが示された.

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© 2009 一般社団法人 日本人間工学会
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