2009 年 24 巻 p. 83-90
従来,高分子補強材の長期クリープ変形量の評価は,一定温度下でのクリープ試験で行われてきた。しかしながら,従来の方法では設計耐用年数と同等な長期試験を実施することは現実的に不可能である。本研究では熱-時間換算則に基づいた促進クリープ試験を実施し,短時間で設計耐用年数に相当する長期クリープ変形量を評価する方法を検討した。様々な材質・構造を持つ計4種類のジオグリッドを用い,a)促進クリープ試験とb)従来の一定温度下でのクリープ試験を実施して,両者を比較することで促進クリープ試験の適用性を検証した。この結果,材質・構造に関わらず,促進クリープ試験結果は従来の一定温度下でのクリープ試験結果と高い整合性があることが確認できた。