脳卒中
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症例報告
小脳海綿状血管腫の2例
中川 敬夫橋本 智哉佐久間 敬宏井戸 一憲菊田 健一郎
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2010 年 32 巻 2 号 p. 197-202

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抄録

症例は,27歳(症例1)および39歳(症例2)の男性で,ともに突然のめまい,悪心・嘔吐で発症した.頭部CTにて小脳出血を認め,頭部MRIの所見と併せ,海綿状血管腫を疑った.2症例とも症状が速やかに消失したため,保存的に経過観察したが,症例1は約2カ月後に,症例2は8日後に再出血を来した.摘出術を施行し,ともに神経症状を残すことなく社会復帰した.病理所見にて海綿状血管腫と診断した.出血性小脳海綿状血管腫の再出血率はいまだ不明であるが,天幕下海綿状血管腫のうち,脳幹や脳神経に局在するものと比べると,摘出術による後遺症を引き起こす危険性は小さく,摘出術が治療として推奨される.

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© 2010 日本脳卒中学会
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