日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
第9回エピドラスコピー研究会
エピドラスコピーの将来
五十嵐 孝鈴木 英雄村井 邦彦古宮 かおり平林 由広瀬尾 憲正
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 30 巻 2 号 p. 304-309

詳細
抄録

  エピドラスコピー, 硬膜外腔内視鏡は難治性の腰下肢痛を有する患者に対する診断法および治療法の一つである. 本法の特長は, (1)侵襲度の低い方法であること, (2)硬膜外腔の肉眼的観察所見が得られること, (3)直視下の灌流, 洗浄, 癒着剥離が行えること, (4)病変部位への確実な薬剤投与が期待できること, (5)本法施行後の硬膜外ブロックの十分な広がりが期待できることである. この方法は, わが国をはじめ米国, 英国, 独国, 豪州, 韓国などで広く行われ, 椎間板ヘルニア, 脊柱管狭窄症, 腰椎手術後症候群などにおける有用性が報告され, 難治性腰下肢痛に対する診断治療法の一つとして重要な位置を占めている. 今後, 有効性や安全性に関する詳細な検討, 内視鏡手技の向上, 周辺機器の開発, 先進医療や保険診療の適応などによって, エピドラスコピーのさらなる発展が期待できる.

著者関連情報
© 2010 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top