日本畜産学会報
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一般論文
わが国の飼育環境下にあるチーター(Acinonyx jubatus)集団における遺伝的多様性と血縁関係の解析
米田 一裕木下 こづえ林 輝昭伊藤 修大峡 芽奥田 和男川上 茂久谷口 敦奥田 龍太石川 達也佐藤 梓池辺 祐介只野 亮都築 政起国枝 哲夫楠 比呂志
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2010 年 81 巻 2 号 p. 133-141

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抄録

動物園などでの飼育環境下にある動物の遺伝的多様性を維持することは重要な課題である.本研究では,イエネコのマイクロサテライトマーカーを用いて,飼育環境下の62個体のチーターの遺伝的多様性と血縁関係を解析することを試みた.チーターのDNAより17座位のマーカーの増幅を試みた結果,すべてのマーカーで増幅産物が認められ,そのうちの15座位はチーターにおいても多型性が確認された.これらの座位における平均の対立遺伝子数は4.65,ヘテロ接合度は0.6398,多型情報量は0.5932であり,本集団の遺伝的多様性は,野生のチーターの集団と比べて大きな違いは無かった.また,総合父権否定確率は0.999733であり,実際にこれらのマーカーを用いて正確な親子判別が可能であることが確認された.各マーカーの遺伝子型を基に62個体のクラスター解析および分子系統樹の作成を行ったところ,これらの個体は,いくつかの集団に分類され,各集団は基本的に家系と一致していた.以上の結果は,今後わが国のチーター集団の遺伝的多様性を維持する上で重要な知見であると考えられた.

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© 2010 公益社団法人 日本畜産学会
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