水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
CODcr測定および利用に関する2, 3の知見-CODcrとTOCとの関係およびCODcr自動測定法について-
藤井 滋穂宗宮 功
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1987 年 10 巻 10 号 p. 631-634,608

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抄録

有機物の分解度合が高く, より正確な物質収支が得られやすい重クロム酸カリウムを用いたCOD法 (CODcr ) について, 長年実際に分析する過程で得た若干の知見を報告した。その1つはCODcrとTOCとの関係である。純物質ではCODcr /TOC比が1.5から8.0まで大きく変化するが, 実際の環境水や下廃水・汚泥処理のプロセス水ではほとんどの試料が2.7~3.3の範囲に存在し, 3で割るだけでCODcr値からTOC値を類推しうることを示した。もう1つの点は, オートアナライザー (II) によるCODcr自動分析法についてであり, 同方法は純粋物質では30~100%と分解率が異なるが, 通常の環境水あるいは下廃水・処理水で同じ性質の水では手分析によるCODcrときわめてよい相関がある。そのため換算係数を用いることにより, 自動分析によるCODcr値を, ほぼTODあるいはThODと同等に扱いうる手分析CODcrに換算できることを示した。

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© 社団法人日本水環境学会
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