The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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原著
鉱泥湿布の放熱特性と温熱効果の予備的検討
—ベントナイト湿布との比較—
渡邉 益宜光延 文裕尾崎 敏文千田 益生森下 嗣威高木 徹
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2010 年 47 巻 9 号 p. 620-625

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抄録

【はじめに】当院では鉱泥湿布療法を表在性・湿熱温熱湿布として使用している.今回我々は,鉱泥湿布の温熱効果を市販湿布と比較検討した.【対象・方法】鉱泥は,粘土質の土と水を攪拌煮沸器で練り合わせて90 ℃の泥状にしたもので,それを2 重にタオルで包んで湿布として使用している.同一環境下で鉱泥湿布(以下K 群)とベントナイトを主成分とした市販湿布(以下H 群)の温度変化を確認した.さらに,健常者(N=7)を対象として,両群の温熱加療前後の表面温度変化と末梢循環動態変化を経時的に測定した.両群の比熱・総熱量・水分含有率を計測した.【結果】体表面温度・末梢血流量は,H群と比較してK群で増加する傾向を認めた.放熱性,比熱,熱量,水分含有量ともにK群が有意に高かった.【考察】鉱泥湿布の温熱効果の有意性は,総熱量が影響していると考えた.総熱量は比熱に依存しており,比熱は水分の含有率に依存していることが示唆された.

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© 2010 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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