日本外科系連合学会誌
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原著
胸部食道癌に対する頸部郭清の意義と頸部郭清簡略化の妥当性の検討
猶本 良夫山田 英司田邊 俊介藤原 康宏櫻間 一史野間 和広元木 崇之高岡 宗徳白川 靖博山辻 知樹
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2010 年 35 巻 4 号 p. 509-515

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抄録

 目的:胸部食道癌に対する頸部郭清の意義と手術侵襲の軽減を目的とした頸部郭清簡略化の妥当性を検討した.方法:1997年1月1日から2006年12月31日までの当院における胸部食道癌425例を対象とした.当院での胸部食道癌に対する頸部郭清の基準は,Ut症例,Mt・Ltのうち術前の画像診断でリンパ節転移が疑われる症例,術中迅速病理診断で#101あるいは#106recが陽性の症例にのみ#104の郭清を施行している.結果:Mt・Lt症例について,#104の郭清を行った89例中39例(43.8%)にリンパ節転移を認めた.#104の郭清を行わなかった254例中6例(2.4%)に同リンパ節に転移を認め,3例に追加郭清を行い良好な結果であった.予後をみると,#104郭清の有無で有意差は認めなかった.結語:FDG-PETなど術前の画像診断と術中迅速病理診断により,Mt・Lt食道癌における頸部郭清の簡略化は可能と考えられた.また頸部転移に対しては追加郭清が有効であった.

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© 2010 日本外科系連合学会
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