園芸学研究
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土壌管理・施肥・灌水
カーネーションの冬春切り1年作型における水分消費特性
山中 正仁後藤 丹十郎宇田 明岩井 豊通東浦 優
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2011 年 10 巻 1 号 p. 33-40

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抄録

カーネーションの灌水同時施肥栽培の給液管理法の開発を目的に,冬春切り1年作型における水分消費特性を検討した.着花性の異なるスタンダードタイプの‘ノラ’およびスプレータイプの‘バーバラ’をそれぞれ1回摘心法および2回摘心法で底面給液栽培し,切り花本数,切り花形質,葉数および日水分消費量と日積算日射量を調査した.日水分消費量は栽培時期によって変動し,品種および摘心法にかかわらず栽培初期の夏期に最少となり,栽培後期の春期に最大となった.1株当たりの総水分消費量は,‘ノラ’の1回摘心では32.29 L,2回摘心では35.26 L,‘バーバラ’の1回摘心では29.75 L,2回摘心では30.29 Lとなった.4週ごとの水分消費量と葉数の間には,正の相関関係が認められた.定植後4週目以降の日水分消費量と日積算日射量の間には正の相関関係が認められた.定植後4週目以降の水分消費量は,定植後4週ごとの積算日射量と葉数を説明変数とした回帰式y(1株当たり水分消費量,L・4 weeks−1)= 0.00697X1(X1:積算日射量,MJ・m2・4 weeks1)+ 0.00930X2(X2:1株当たり葉数)− 1.36616)で推測できた.また,定植後12週目以降であれば,日射量のみで水分消費量を推測することが可能であった.

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