日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第29回大会 シンポジウム ─循環モニター:非侵襲的モニターは侵襲的モニターを超えられるか?─
周術期における経食道心エコー─非心臓手術における有用性─
竹森 健小林 克也坂本 篤裕
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2011 年 31 巻 1 号 p. 091-096

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抄録

  経食道心エコー(TEE)は心臓手術においての有用性は確立している.しかしその侵襲性の低さから,非心臓手術におけるモニターとしても期待できる.今回,血行動態の変化が予想される腹腔鏡下手術や肺切除術などでTEEを使用した.腹腔鏡下手術では胸腔内圧の上昇を反映して左室流入波形A波の増高を認めた.肺切除術では左心系への流入低下によりE波の低下を認めた.また心房中隔の左方変位も認められた.しかし両術式とも収縮・拡張能は著明な変化を認めなかった.非心臓手術におけるTEEモニタリングは操作者にトレーニングを要するなどの問題点はあるものの,その情報量の多さと低侵襲性から非心臓手術においても有用であると考えられる.

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© 2011 日本臨床麻酔学会
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