日本畜産学会報
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ウズラ大腿骨器官培養の骨髄骨形成に及ぼす性ホルモンの影響
加藤 久美子杉山 稔恵楠原 征治
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1996 年 67 巻 1 号 p. 64-68

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抄録

成熟雄ウズラ大腿骨の器官培養を試み,エストラジオール(E2)およびテストステロン(T)が骨内膜細胞の分化•増殖および骨髄骨形成能に及ぼす影響について検討した.
E2あるいはTの単独添加培養液を用いて培養した場合,大腿骨骨内膜表面では培養前と比較して,前骨芽細胞が多数観察された.さらに,E2およびTの両方を添加した場合では,前骨芽細胞がより多く出現していた.しかし,牛胎子血清を含まない培養液では,有糸分裂像および骨芽細胞は観察されず,骨髄骨の形成も起こらなかった.いっぽう,牛胎子血清を含む培養液にE2またはTを添加した場合,有糸分裂像および骨芽細胞が観察され,骨髄骨の形成も認められた.とりわけ,牛胎子血清を含む培養液にE2およびTを併用添加して培養した場合,骨内膜表面に多くの骨芽細胞が観察され,骨髄骨の発達が顕著であった.

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