日本気管食道科学会会報
Online ISSN : 1880-6848
Print ISSN : 0029-0645
ISSN-L : 0029-0645
特集9 パネルディスカッション4:気管・食道・縦隔瘻の治療
食道癌術後の縫合不全に続発した難治性縦隔瘻の治療
牧野 浩司宮下 正夫野村 務萩原 信敏中溝 宗永横島 一彦三枝 英人高橋 健勝田 美和子堀場 光二横井 公良内田 英二
著者情報
ジャーナル 認証あり

2011 年 62 巻 2 号 p. 183-189

詳細
抄録

食道癌術後縫合不全に続発した食道縦隔瘻に対して,手術時に挿入した胸腔ドレーンまたは追加や再挿入による胸腔・縦隔ドレナージを施行し,大半は自然閉鎖するが,改善せずに難渋することがある。留置したドレーンによる排膿が不十分で,エコーガイド下が困難であれば,CTガイド下穿刺ドレナージが有効である。しかし,それでも瘻孔の改善を認めない症例が3例あり,追加治療として方法1.食道ステント挿入,2.経鼻胃管による消化管内からの胸腔・縦隔ドレナージによる排膿,3.内視鏡下クリッピングとフィブリン糊散布にて瘻孔閉鎖を施行し,瘻孔閉鎖が認められ治癒し得た。これらの治療は,手術と比較して侵襲も小さく有効な治療法と考える。

著者関連情報
© 2011 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top