2002 年 49 巻 p. 1511-1515
内湾域などにおける時間変動の激しい流動現象を観測するために, デジタルビームフォーミング方式を採用した短時間観測が可能な沿岸海洋レーダを新たに開発した.本レーダは約20km四方の広域表層流速場を500m間隔の格子上に15分間隔で連続観測することができ, またデータ通信機能により観測データを遠隔モニタリングすることができる.開発したレーダを伊勢湾湾奥域の現地観測に適用し, 同時に得られた流速計データとの比較により, レーダの観測精度について検証した. さらに, 自動流速検知のためのアルゴリズムと海洋レーダによる観測データの物理特性について検討した.