公共事業の選択における専門家と一般市民との関係を, 海岸事業を主な例として, 科学技術社会論の枠組みを用いて, 工学の公衆的理解という視点から分析した. 海岸事業あるいは治水事業に関する専門家と一般市民の参加する3つの委員会を取り上げ, 公開されている議事録をテキストとして採用し, 分析した. その結果, 既往の分析枠組みである欠乏モデル, 文脈モデルを踏まえて, 新たに協働的相互作用モデルを提案し, 専門家と一般市民がともに参加する会議の運営方法に関するマニュアルを提案した. マニュアルには問いの立て方, 参加者の人選, データの提示方法の基本原則が提示してある.