砕波帯内の浮遊砂濃度を算定するためには起動力により, 3つの要素に分割して考える必要がある. それらは1) 底面砂漣近傍での渦運動による浮遊量を評価するための基準点濃度と拡散係数, 2) シートフロー状態での浮遊量を評価するための底面近傍基準点濃度と拡散係数, 3) 砕波による渦運動により巻き上げられる浮遊砂量を評価するための底面基準点濃度と拡散係数である. 本論ではこれらの3つの要素それぞれについて既往の実験結果を用いて別々に評価方法を提案し, 最終的にそれらを統合することにより砕波帯内浮遊砂濃度推定の総合的評価方法を提案した.