現状での津波防災対策を検討してみると, 以下のような問題点があることが指摘できる. i) 避難に重点が置かれすぎている. ii) 個人財産防護への対策, 指導が不足している. iii) 各種津波対策の間でのシステマチックな連携が弱い (対策間の連携が不足している). すなわち, 「津波防災の観点からのまちづくり」が進行していない.津波に強いまちとは, 津波に強い場所・制度づくりと, 津波に強い人づくりの両方が実現されたまちである, 住民が平常時の生活を送るにあたっては, 暮らしやすく快適な, まちとしての機能も充分に確保されていることが必要である. 本研究では, 津波に強いまちを作るためには, どういった行動を進めていくことが必要なのかについて検討した.