砕波帯内の浮遊砂濃度を算定するために浮遊機構を, 1) 底面砂漣近傍に発生する渦による浮遊, 2) 底面シートフロー上の乱流による浮遊, 3) 砕波の下での乱流による浮遊に分割して考えることができる.これまでの研究では現地規模の実験, 実測結果と室内実験室規模の実験結果を同列に論じることが多かった.本研究では実験式に寸法効果が含まれていることを前提として, これまでの浮遊砂濃度に関する実験結果を再整理, 分類し, 実規模実験, 現地観測の結果に基づいて新しい算定式を示した.その結果, 乱流機構の相違によって, 濃度分布の関数形が異なることを示した.