2005 年 52 巻 p. 1001-1005
アマモは群落を形成することにより, 群落内部の流速の低減や波高の減衰を促し, また地下茎や根の存在によって底質の安定性を向上させているものと推察される. 本研究では, 現地のアマモ場にて調査を行い, アマモ群落の存在が底質環境へ与える影響について評価した. また天然のアマモを用いた水理実験を行い, アマモ群落内部の底質輸送機構と地下茎や根の存在による底質の安定性向上効果の評価を行った. その結果, アマモの生育域ではその周辺の非生育域に比べ地盤表層付近の強度が高くなっていること, 及びアマモの地上部よりも地下茎や根の存在が底質侵食の抑制に大きな効果を発揮していることを確認した.