海岸工学論文集
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乱流渦相関法を用いた有明海干潟上の地表面フラックス直接観測
成松 明田中 健路森本 剣太郎滝川 清
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2005 年 52 巻 p. 1081-1085

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抄録

干潟地表面・海水面・大気との熱交換過程は, 干潟の物質循環を制御する上で重要な役割を担うとされている. 本研究では, 干潟域の熱収支を高精度で定量化することを目的として, 熊本港北側干潟域で乱流渦相関法によるエネルギーフラックス観測を実施した. 干潟域では, 日射による加熱の他に, 潮汐による干出・冠水のサイクルが, 大気側への顕熱・潜熱輸送の日変化を支配する. 干出時刻が正午前後の場合, 干潟土壌温度が1時間に5℃以上上昇し, これに伴い夏季では400Wm-2を超える潜熱フラックスを観測した. 夜間には地表面温度や海水温度が上空気温に対して高くなり, 夜間でも正の潜熱・顕熱フラックスを観測した.

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© 社団法人 土木学会
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