2004年12月26日早朝 (現地時間), インドネシアのスマトラ島沖を震源とするM9.0の巨大地震が発生した. この地震に伴う津波はインド洋を取り囲むアジア諸国にとどまらずアフリカ東海岸や南極にまで到達し, 各地に甚大な被害をもたらした. この地震の発生メカニズムについて, 当初は本震付近を起点として北北西方向に約500kmの断層が破壊したと考えられたが, 余震分布より震源域は南北方向に長さ1000km程度にも及んだと推測されている. そこで本研究では各調査機関から発表されている断層パラメータを基にして決定した津波モデルで数値計算を実施し, タイ南西部での現地調査結果と比較することにより, 津波発生メカニズムの解析を行った.