海岸工学論文集
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流域から海岸への土砂供給量の検討
酒匂川を例として
柴山 知也Joel Nobert
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2005 年 52 巻 p. 621-625

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抄録

河川流域を解析対象として気象, 土壌, 地形のデータを集積し, MUSLE (Modified Universal Soil Loss Equation) を援用して, GIS上のモデルで流域内の土砂の浸食量および河川での浸食, 堆積を考慮して海岸への土砂供給量を推定する方法を開発した. 浸食土砂量の推定には, 降雨量変化, 表土流出, 洪水, 河口への土砂の流出とつながる因果連関を設定している. 酒匂川流域はこれらのデータがそろっているため, 今回開発したモデルを適用し, その妥当性を検討した. 酒匂川における流域生産土砂量を積算して求めた, 河口からの土砂供給量は, 河口付近の取水堰での滞砂量, 浚渫量の合計とほぼ匹敵しており妥当な値を得ることができた. この結果に基づいて, 環境変化に対応する河口への供給土砂量変化の推定方法を提案した.

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