海岸工学論文集
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皆生海岸漂砂系から美保湾への年間土砂移動量の推定
井上 卓彦奥村 学原口 強岩本 直哉天野 敦子井内 美郎
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2005 年 52 巻 p. 626-630

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抄録

長期的な海岸地形保全には, 海岸流砂系全体の土砂動態の解明と理解が必要である.本研究では, 皆生海岸において, 沖合の美保湾で表層堆積物と柱状試料を採取し, 粒度分析と鉛-210法堆積速度測定を組み合わせ, 日野川・皆生海岸から美保湾内への土砂移動量を推定した. 底質調査結果から, 堆積物は美保湾内にほとんどトラップされ域外への移動はないと判断される. 海岸を形成している細粒砂以上の土砂の美保湾内への単位面積当り移動量は泥堆積域で約200ton/km2/年, 湾中央部で約1, 800ton/km2/年となる.これを海域全体に適用すると, 皆生海岸漂砂系外の水深9m以深に移動する細粒砂以上の年間土砂量は95, 000ton/年となる.

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© 社団法人 土木学会
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