2006 年 53 巻 p. 701-705
大型の越波排水路を備えた低天端ケーソン護岸は, 背後地への越波の低減と前面海域への反射波の抑制に効果的である. この種の護岸の設計においては特に, 建設コストの制約の下での越波排水路の規模の適正化が重要となる. この種の護岸形式における越波量や越波過程の基本的特性を把握するために実施した水理実験において, 入射波高の変化による越波モードの遷移およびモード間での越波水脈の挙動や飛沫の飛散範囲の相違が確認された. また, 粒子法による数値シミュレーションを実施し, 各モードの水面形や越波量に関して実験との良好な一致を確認した.