頭頸部癌
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その他臨床
下咽頭・頸部食道癌の種々の切除様式に対する再建の治療戦略
飯田 拓也三原 誠成島 三長荒木 淳大島 梓平井 林太郎光嶋 勲朝蔭 孝宏蝦原 康宏吉田 昌史安藤 瑞生瀬戸 泰之
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2011 年 37 巻 1 号 p. 121-125

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抄録

下咽頭・頸部食道癌は上部消化管の悪性腫瘍を合併することが多く,通常の咽頭喉頭頸部食道全摘では対応できず,全食道を合併切除する必要がある症例も存在する。一方で,根治性を損なわない範囲内で可及的に機能温存を図る手術の広がりに伴い,下咽頭部分切除が施行される症例も増えてきている。今回,われわれはこうした種々の下咽頭癌・頸部食道癌切除法に対応した再建法について検討した。対象は下咽頭・頸部食道癌の切除・再建術のうち,TPLEに加え食道全切除も必要であった拡大切除5例と,下咽頭部切などの縮小切除5例である。再建方法は拡大手術では,延長胃管,遊離空腸+胃管等で,縮小手術では遊離空腸パッチ,遊離前腕皮弁であった。各種の再建方法にはそれぞれ長所,短所があるが,再建法を決める際には耳鼻科や食道外科と切除・郭清範囲,温存される血管,侵襲の程度などについて事前に十分に打ち合わせ,総合的に検討する必要があると考えられた。

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© 2011 日本頭頸部癌学会
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