日本接着学会誌
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研究論文
高分解能ずれ測定装置による粘着剤の微小せん断特性の評価
宮城 善一近藤 祐介雑賀 聡一
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2011 年 47 巻 8 号 p. 302-308

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抄録

 粘着剤の先端的工業分野の使用において,微小変形領域における粘着剤のせん断特性を把握するために特性評価法の高度化が必要である。規格に定められた試験方法は主に品質管理が目的であり,微小変形領域のせん断特性を考察する上では測定分解能が低い。そのため,変位測定分解能を10nmとした試験装置を開発し,粘着剤のせん断特性に関わる静的粘弾性特性の解析を試みた。 この試験装置によりアクリル系粘着剤のせん断変形とずれを測定し,粘弾性力学モデルの係数を特性値として分散分析を行った結果,被着体温度,架橋剤添加量の効果の有意性を確認することが出来た。評価特性としてクリープコンプライアンスを使用した場合,せん断特性に対する被着体温度と架橋剤添加量の依存性が負荷時間の長い領域において大きくなることがわかった。また,微小せん断変形領域における負荷時間と被着体温度換算の関係が,室温を中心とした実用的な被着体温度範囲において適用できることを検証した。

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© 2011 一般社団法人 日本接着学会
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