国土環境の現況把握や持続的な保全・利用のあり方を計画・立案する場合, 現在の森林環境の質・量を把握して将来の森林の推移を予測することは重要な課題である。本研究では, 福岡市油山自然観察の森の広葉樹林における林分構造調査と, 過去から現在の空中写真から判読した林況や樹冠幅, ならびに樹高デー夕を比較することにより, 植生環境動態解析への可能性を検討した。その結果, 樹高と樹冠幅は森林の構造や森林環境を反映しており, 傾斜や斜面方位を考慮することにより, 空中写真による植生環境動態解析の可能性が十分にあることが明らかとなった。