廃棄物資源循環学会論文誌
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論文
高温・高圧蒸煮した家庭生ごみの成分組成および飼料母剤としての再利用
石森 崇晃Ayyakkannu Saravanan眞田 敏宏城 斗志夫藤村 忍西海 理之今井 明夫藤井 智幸佐藤 英行小嶋 洋朗堀 秀隆
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2011 年 22 巻 4 号 p. 253-266

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抄録

新潟県胎内市の家庭生ごみを150℃で40分間,または200℃で15分間蒸煮し飼料化を試みた。蒸煮後の生ごみは,粗蛋白質含量および粗脂肪含量が肥育ブタ用配合飼料に比べて高く,それぞれ18~23%および10~17%であった。一方,ペプシン消化率は低く,26~56%であった。蒸煮生ごみの有効性を評価するため,体重約70kgの肥育ブタ8頭を4頭ずつ試験群と対照群の2群に分け,給与試験を行った。試験群では,まず200℃で蒸煮した生ごみ (200℃生ごみ) を配合飼料に20%混合して29日間給与し,その後200℃生ごみの代わりに150℃で蒸煮した生ごみ (150℃生ごみ) を混合して体重が110±5kgに達するまで給与した。対照群には100%配合飼料のみを給与した。試験群の4頭中2頭は,試験期間を通じて対照群のブタと同等の日増体重を示した。他の2頭は,200℃生ごみ混合飼料を給与した期間に日増体重が低下したものの,その後回復し,対照群のブタに比べて29∼46日遅れて110±5kgに達した。

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© 2011 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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