耳鼻咽喉科展望
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喉頭ネブライザー療法の臨床評価
声門面積の客観的評価の試み
松根 彰志溝井 一敏岩元 光明宮之原 利男大山 勝
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1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 195-203

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抄録

声帯の炎症性病変の治癒過程を客観的に見るために,声門部での反射光による光電グロトグラフィーを用い,発声時の声帯粘膜波動による声門面積の変化の評価を行った。声帯粘膜波動によって生じる反射光は側視付き硬性ファイバーを介して光電変換され,声門部の画像や頸部正中に取り付けられたコンタクトマイクロフォンによって得られた発声原音とともにビデオテープに記録された。周波数分析を行った結果,正常例で発声時の光電信号の基本周波数やその整数倍の周波数の出方に個人差があることが確認され,また,喉頭結節例や急性喉頭炎例の疾患例で,喉頭直達鏡下の手術やネブライザー等の保存的治療による回復過程を客観的に評価することができた。

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