CHEMOTHERAPY
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尿路感染症に対するSY5555の基礎的・臨床的検討
林 俊秀渡辺 豊彦竹中 皇畠 和宏小野 憲昭公文 裕巳大森 弘之近藤 捷嘉大橋 輝久赤枝 輝明片山 泰弘
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1994 年 42 巻 Supplement1 号 p. 475-484

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抄録

新規ペネム系経口抗生物質SY5555の抗菌力ならびに尿路感染症に対する有用性について検討を行った。
1) 抗菌力: 尿路感染症分離菌14菌種210株に対する本剤のMICを測定し, cefaclor (CCL), cefixime (CFIX) 及びofloxacin (OFLX) と比較した。グラム陽性球菌, 特にEnterococcus faecalisについては対照薬より優れた抗菌力を示した。グラム陰性菌に対してはCCLより強く, CFIXとほぼ同等, OFLXにはやや劣っていた。
2) 臨床効果: 急性単純性尿路感染症13例及び複雑性尿路感染症17例に本剤1回100~300mgを1日3回, 3~7日間投与し, UTI薬効評価基準に準じ臨床的検討を行った。
急性単純性尿路感染症11例中著効8例, 有効3例で有効率100%であった。
また, 複雑性尿路感染症17例に対しては, 15例中著効7例, 有効4例, 無効4例で, 総合有効率は73.3%であった。分離菌別細菌学的効果は, 18株中 Pseudomonas aemginosa (2株) を除く16株が消失した。自・他覚的副作用は30例中全例に認められず, 臨床検査値異常も24例中本剤との関連性を疑われるものはなかった。

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© 社団法人日本化学療法学会
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